読書道楽

「知的生活」P・G・ハマトン(講談社) 奈良の古本屋でわずか200円で購入したもの。この本は英語の勉強にも使われるほどの原文は流麗なものだということであるが、翻訳もそれに劣らず流麗で、極めて読みやすかった。でその内容は、というと確かに洗練さ…

読書道楽

「素晴らしい新世界」ハックスリー(講談社文庫) 未来小説。著者は、流れ作業の大量生産体制が始まったことと、社会に蔓延する科学主義と平等思想に恐れを感じたのであろうか。この本で描かれている社会はフォード歴を採用している。個性は全て否定される世…

読書道楽

「蔵の中から」江戸川乱歩(講談社文庫) 乱歩の評論、随筆集であり興味津々の面白さである。前田河広一郎という評論家に反駁している文が最初に来ている。この評論家は、プロレタリア文学の評論家らしく、「支配者階級が被支配者階級を圧伏する法の権威が、全…

読書道楽

「余暇と祝祭」ヨゼフ・ビーバー(講談社学術文庫) この著者は、余暇論の権威ということであるが、要するにキリスト教の信仰を持った哲学者である。従って、単に今の世の中は豊で余裕も出来たから、その余裕をどのように過ごしたら良いか、そのための理屈を…

子供に関する随想

いま小生は,小学校6年になる孫と5才になる孫の可愛さに夢中なのであるが,その父親である我が息子が中学から高校に上がるころに息子に関して書いた文が出てきた。読むと何か子を思う親の切なさがまた蘇ってきた感じである。以下のその時の文を記す。 子供…

子供に関する随想

いま小生は,小学校6年になる孫と5才になる孫の可愛さに夢中なのであるが,その父親である我が息子が中学から高校に上がるころに息子に関して書いた文が出てきた。読むと何か子を思う親の切なさがまた蘇ってきた感じである。以下のその時の文を記す。 子供…

読書道楽

おじさまの読書感想文シリーズ。第一弾は「悪魔の事典」(A・ビアス著:角川文庫)。ちびちび読み終えた。正直言って読み通すのは苦痛であった。それで、ちびちび読み継ぎやっと読み終わったわけである。明らかに何かを、あるいは誰かを意図して風刺している…